(公社)鹿島学術振興財団 2024 年度 一般研究助成 募集
公益財団法人鹿島学術振興財団より,標記助成候補者の推薦依頼がありました。
説明資料→■R06年度(2024年度)鹿島財団研究助成募集■R050720
本会の推薦を希望する方は,10 月10 日(火)必着の郵送にて,事務局宛(下記提出先)まで提出してください。なお,本会にて推薦に「値する」か「否」かについて審査をし,本会から同財団への推薦手続きを行います。同財団への直接応募はできませんのでご注意ください。
日本火災学会会長 あいさつ
会長あいさつ
-社会の変化に備える防災と火災学会-
第31代会長 鶴田 俊
日本の学術活動の成果が、国際的指標で見ると低い順位となっているとの指摘をしばしば受けています。国際化を目的として英語表記を拡大する分野が増えてきています。火災学会では、日本語表記を比較的広く採用しています。日本が明治時代に西洋から科学技術を導入したとき、当時の技術者が日本語による用語を作成、普及した成果です。火災分野では、日本語による現象記述を十分に行うことが出来ます。木と竹と紙でできた家が密集した大都市を江戸時代に建設し、度重なる火災や地震の経験から防火技術を作り上げてきた成果だと思います。日本語で学術論文等を記述することにより、会員と防災業務に従事する人々に迅速に情報提供できます。
2023年5月アルコールを焚火にそそぎ、火災となり、死者が発生する事例が報道されています。火災の詳細については、調査が行われている段階であり、事実確認までには時間を要します。
アルコールは、ガソリンや灯油に比べると青白い火炎であり、視認しにくいです。そのため消炎したものと誤認し、アルコールを補給、アルコール蒸気に引火、容器破損等により火傷を負う事例が米国で複数報告されています。悲劇的事故を予防する目的で米国化学安全委員会(CSB)は、”After the Rainbow”と題したビデオを公開、安全優先を呼び掛けています。
アメリカ熱傷協会(ABA)は、火に可燃性液体を注ぐときに起きる可燃性蒸気燃焼による可燃性液体噴出火災”Flame Jetting”を米国公共放送(PBS)、アメリカ化学会(ACS)、米国アルコール・タバコ・銃器・火薬局(ATF)の協力により、啓蒙ビデオ” Small Bottle, HUGE Fireball (How Flame Jetting Works)”にまとめ、公開しています。
このビデオは、可燃性液体噴出火災予防のための自発的対策を促す法案” The Portable Fuel Container Safety Act of 2020”の成立に寄与しています。実験ビデオが米国アルコール・タバコ・銃器・火薬局サイトの” Gasoline Flame Jetting Videos”に収録されています。
米国では、誤って可燃性液体を取扱い、火災となっても被害軽減する自発的対策が進んでいるようです。米国には、懲罰的損害賠償制度があることから自発的対策が進んでいるようです。日本とは、社会背景が異なることは注意する必要があります。
英国の高層住宅で火災が発生し、大きな被害が発生しました。この火災について公聴会が行われ“REPORT of the PUBLIC INQUIRY into the FIRE at GRENFELL TOWER on 14 JUNE 2017”が、公開されています。高層建築物を大都市域内に建設、都市で働く人に低価格で居住できる仕組みを作り出しましたが、その過程でリスク評価を十分に行えなかったことと火災時に消防機関が情報収集に苦労したことが、迅速な避難や救助が出来なかった原因とされています。大規模災害が起きたとき、事実を検討し、どの要素が災害の拡大や終息に寄与したかを確認することは社会にとって重要です。
建築物は、それぞれの国の生活様式を反映します。そのため、国際的に一律に建築物を考えられるわけではありません。気候風土が異なれば、建築物も異なることになります。これに加え日本社会特有の問題、少子高齢化が急速に進行しています。核家族から高齢独居者の居住へと変わります。この変化に備えるためには、火災学会会員の皆様が業務を通じて体験した事柄を火災学会で情報交換、討論することが必要です。課題を抽出し、有効な対応策を提案・発信できれば日本火災学会の使命を果たすことになります。
2023年6月の日本火災学会会誌「火災」特集は「火災安全分野で活躍する女性 ~ジェンダーフリーに向けて~」です。平成16年消防消第53号「女性消防職員の警防業務への従事に係る留意事項について(通知)」検討中の時代や東京大学環境安全センター在職中に中西準子先生から伺った話を思い出します。女性の視点で火災安全分野を見ることで新たな防火手法が出てくることを期待しています。
火災分野に携わる皆様の能力を十分に発揮できるよう火災学会関係者一同学会運営を担当させていただきます。皆様の学会活動への参画をお待ちしています。
火災 385号 (Vol. 73, No. 4, 2023) 2023年8月
日本火災学会賞(2023年度)(2)
日本火災学会賞受賞者の解説:
日本火災学会内田奨励賞受賞者の解説:
バーチャルリアリティを用いた地下街火災時の避難行動分析に関する研究/田中俊成(11)
<特集:関東大震災と以後100年間の火災科学>
関東大震災の概要/西田幸夫(14)
関東大震災時における横濱市の大火と避難の実態/髙梨成子(18)
市街地火災の現象把握/岩見達也(24)
関東大震災から100年の広域火災避難を取り巻くリスクの変遷/廣井悠(29)
関東大震災から100年:消防防災の発展経過と課題/関澤愛(33)
社会情勢の変化と技術革新を見据えた震災対策の在り方~火災予防審議会での検討から~/東京消防庁(37)
第12回SiF国際会議参加報告/中山征人(48)
消防車両紹介:査察広報車(燃料電池車)/東京消防庁(57)
火災・災害ニュース(59)
日本火災学会論文集 第73巻第2号の概要(62)
国際会議情報(63)
掲示板(64)
第62回火災科学セミナーの開催について
第62回火災科学セミナーの開催について
主 催:(公社)日本火災学会
後 援:全国消防長会
東京消防庁
神戸市消防局
近年のデジタル技術の進歩は目覚ましく、社会全体でDX推進への機運も高まり、防火・防災の分野においても、デジタル技術等を活用した様々な先進的な取組が見られるようになりました。また、2025年には阪神淡路大震災から30年となります。近年、多発する自然災害へ対応するため、震災の教訓を活かした備え、更には様々な火災危険を想定した未来への備えについて見識を深めることが重要です。
このような状況を踏まえ、日本火災学会では、東京都と神戸市において下記のとおり「火災科学セミナー」を開催することとなりました。つきましては、会員の方はもとより、消防関係者、一般の方々にも多数ご参加くださるようご案内いたします。
記
◆神戸会場:日時 2023年11月10日(金) 13時00分から16時30分
場所 神戸市産業振興センター ハーバーホール
(兵庫県神戸市中央区東川崎町1-8-4)
JR「神戸駅」から徒歩約5分
[主題] 震災の教訓を踏まえた未来への備えについて
1 阪神淡路大震災における火災原因調査活動と地震火災への提言
神戸市消防局市民防災総合センター(元須磨消防署副署長兼総務査察課長)
桂 敏美 氏
2 関東大震災の火災被害をふり返り現在の市街地火災リスクに向き合う
~ 関東大震災100年の節目に ~
東京理科大学 関澤 愛 氏
3 地震時などの大規模火災で発生する火災旋風
消防研究センター 篠原 雅彦 氏
◆東京会場:日時 2023年12月5日(火) 13時00分から16時30分
場所 北とぴあ つつじホール(東京都北区王子1-11-1)
JR「王子駅」から徒歩約2分,東京メトロ南北線王子駅5番出口直結
[主題] デジタル先端技術の防火防災分野での活用の展望
1 コンピュテーショナル・デザインによる設計の現状と防火防災分野への活用の展望
株式会社竹中工務店 竹市 尚広 氏
2 先端技術の防火防災への活用事例について
ア 情報共有ツールによる自衛消防活動支援
能美防災株式会社 伊藤 尚 氏
イ 火災情報通知などを活用した屋内位置情報システム
ニッタン株式会社 稗田 豪 氏
ウ 2023年度日本火災学会技術賞「可変型避難誘導表示システム」
株式会社竹中工務店 新谷 祐介 氏
新型コロナウィルスの感染状況などにより、本イベント内容に変更が生じる場合は、火災学会ホームページ(https://www.jafse.org)に掲載いたします。必ず御確認の上、御来場くださいますようお願い申し上げます。また、体調がすぐれない方(例:37.5℃以上の発熱、咳・のどの痛みなどの症状がある方)は参加をご遠慮下さい。
参加料:会員(賛助会員及び後援団体職員を含む。)及び消防職員2,000円,一般(非会員)4,000円
申込方法:郵便払込による納入をもって申込受付とします。(郵便振込「払込取扱票」のご利用をお願いします。)
振替口座番号 00180-4-58454 (公社)日本火災学会
払込取扱票の通信欄に参加会場名,勤務先名(複数参加の場合,参加者名)を記入してください。また,払込人住所氏名欄には参加者氏名(複数参加の場合は,代表者名),連絡先住所,電話番号を記入してください。到着受付後,受講票をお送りします。(領収書は,当日会場でお渡しします。)
※口座振替(銀行)を希望される場合は,下記申込先へメールにてお知らせください。
請求書等が必要な方は,下記メールにご連絡ください。
申込先:〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-16 学会センタービル
(公社)日本火災学会 Tel:03-3813-8308 Fax:03-5689-3577 E-mail:kasai50@sepia.ocn.ne.jp
締切日:2023年12月1日(金)
詳細はこちらをご覧下さい → Seminar62
公益社団法人 日本火災学会役員名簿(令和5年度)
役員名簿を令和5年版に更新しました。
火災 384号 (Vol. 73, No. 3, 2023) 2023年6月
数値から見た日本火災学会の女性会員の活動状況/秋月有紀(2)
総務委員会での活動を通して/吉野攝津子(4)
火災分野で働き続けること/古川容子(5)
女性消防吏員採用50年の節目に/杉本聡子(7)
火災予防行政の歴史と重要性/飯田美和(9)
火災現場における消防隊の活動安全を追求する/伊藤彩子(11)
火災調査と私/山本祐子(13)
消防用設備等の検査業務に携わって/平田加奈(15)
研究者として思うこと/鈴木佐夜香(16)
建築研究所・防火研究グループ/趙玄素(18)
大学における建築防災研究・教育活動/伯耆原智世(20)
要配慮者の災害時避難介助の負担軽減~研究教育の現場から~/鴨志田麻実子(22)
大学における火災研究/上矢恭子(24)
育児休業を終えて/吉谷公江(25)
女の土木屋が経験したこと/天野玲子(27)
実務としての建築物の防災計画・設計/花井英枝(29)
建築の防火避難設計と,携わってきて思うこと/久次米真美子(31)
防耐火分野の研究開発における女性活躍への所感/茶谷友希子(33)
中小企業女子が見た仕事とプライベートとわずかながらの研究活動の話/福田真弓(34)
SDGsに向けた法曹と火災専門家の協同の必要性/赤木潤子(36)
火災保険の近況と参考純率について/名取晶子(38)
試験・性能評価・認証機関の防耐火関連業務/中村美紀(40)
避難・防災関連の業務紹介(GBRC)/中野美奈(41)
火災の仕事に就いて:警察における火災研究を目指したきっかけと今後の抱負/山﨑宏樹(47)
消防車両紹介:小型ポンプ車/東京消防庁(53)
火災・災害ニュース(55)
国際会議情報(58)
会報(59)
第14回国際火災安全科学シンポジウム 開催のお知らせ
第14回国際火災安全科学シンポジウム 開催のお知らせ
会場 つくば国際会議場
期間 2023年10月22日(日)~10月27日(金)
現地実行委員会委員長 土橋律(東京大学)
本国際学会は3年毎に行われる火災に関する国際研究学会としては最大規模のものであり,世界中の火災科学・防災技術に関わる専門家が一同に会して議論・交流する場を提供し,最新の研究成果ならびに技術開発の現状を共有する場とする.口頭発表・ポスター発表・ワークショップといった様々なチャネルにて情報交換する機会を設け,参加者間の交流および国際的な課題共有を最大限に促すことを目的としている.
理事会での審議を経て2017年に日本での開催誘致活動に成功し,2023年の開催(第14回)をつくばで実施することとなった.誘致には,火災科学・防災研究の質の高さが考慮されており,このことはわが国におけるこれらの研究分野が世界的なレベルにあることを評価されたことになる.日本での開催は1988年以来2回目であるが,これまでも日本開催を支持・期待する声が大きかったため,今回は満を持しての開催となる.本会議は(今のところ)完全対面開催である(ハイブリッド配信はしない)
既に口頭発表の締切は終了しているが,過去最大の投稿数であった(341件).それだけ日本での対面開催に期待されていることになる.ポスターやイメージ展の投稿は6月末まで受け付けしている.日本火災学会会員諸兄諸氏の積極的な参加を期待する.
詳細はシンポジウムHPを参照(リンク先 https://iafss2023.com/)
令和5年度定時総会開催のお知らせ(資料更新)
令和5年度定時総会案内および総会資料は下記をご確認ください。
総会は5月25日(木)15時からオンラインにて開催いたします。
5月23日13時に資料を更新しました。
以前にダウンロードされた場合は,再度ダウンロード願います。
お手数をお掛けして申し訳ありません。
火災 383号 (Vol. 73, No. 2, 2023) 2023年4月
住宅防火対策に関する最近の検討会報告書の概要について/総務省消防庁予防課(2)
住宅用火災警報器の点検・交換について/万本敦(8)
住宅用火災警報器の適正な維持管理に向けて/水野雅之(14)
住宅火災の初期消火についての分析/札幌市消防局(19)
製品による火災事故と規制/山﨑卓矢,安元隆博,青山優(23)
防炎カーテンの防炎性能の経年変化について/三歩一真彦(28)
住宅用火災警報器とスマートスピーカーを接続したICT火災通知システムの開発/千葉寿,小西誠一,大坊真洋(32)
2022年度学術委員会と専門委員会の活動報告/学術委員会(42)
軽自動車の燃焼実験/藤原英之(45)
消防車両紹介:はしご車/東京消防庁(55)
火災・災害ニュース(57)
国際会議情報(59)
日本火災学会論文集 第73巻第1号の概要(60)
2023年度日本火災学会研究発表会プログラム(61)
2023年度日本火災学会研究発表会 情報交流会 参加申込のお願い
2023年度日本火災学会研究発表会は、3年ぶりに弘前大学文京町キャンパスにて、対面開催たします。それに加え、今回は、現地参加が困難な方等のために、Zoomによる口頭発表等のオンライン配信も実施します。まだ申込いただいていない方は、久々の対面開催、および初めてのハイブリッド開催ですのでふるってご参加ください。
あわせて、対面開催に参加いただいた皆様に、3年分の対面での情報交流をしていただくために、弘前市内のホテルでの情報交流会を企画いたしました。対面開催参加者の皆様にはぜひご参加いただき、2023年度日本火災学会研究発表会 ハイブリッド開催共々、大いに盛り立てていただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
日時 :2023年5月27日(土) 19:00~
場所 :弘前プラザホテル 青森県弘前市代官町101-1
TEL. 0172-35-0345 (弘前駅より徒歩15分)
https://hirosakiplazahotel.jp/
会費 :事前参加申込 6,000円(5/19まで)
通常参加申込 7,000円(5/27午前中まで)
学生 3,000円
申込方法:オンライン申込 Peatix(参加申込時と同様の方法)
申込期限:5/27(土) 12:00 まで
受付方法:研究発表会会場の受付にて、情報交流会参加申込済みの方に
「情報交流会参加シール」を配布します。
研究発表会参加者用の名札に貼り付けて情報交流会会場にご入場ください。
◆注意事項◆
・発表内容及び会場の撮影,録音,録画を禁止します。
・ライブ動画の内容を録画しておき,会場トラブルが生じた場合に
参加者へ公開する可能性があります。
申し込みについて
・1回につき一人の決済を行います。複数人まとめての入金は絶対に行わないでください。
事務局側で入金と該当者を突き合わせることができません。
・ご登録いただいたメールアドレス宛に,ご案内をさせていただく場合がございます。
「peatix.com」からのメールを許可するように,設定の変更をお願いします。
領収書について
・各支払い方法での支払いの際に発行される領収書を
社内,学内,各種申告等での手続きで用いてください。
・なお,Peatix上でイベント名,主催者,金額などが記載された領収データも発行可能です。
・上記で手続きできない等,学会の領収書が必要な方は学会事務局へお問い合わせください。
キャンセルについて
・原則承っておりません
・やむをえない事情によるキャンセルをご希望の場合,手数料を差し引いた額を返金いたします。
情報交流会申込は こちら
研究発表会申込は こちら
お気づきの点ありましたら,事務局(kasaijp@kasaikenkyu.org)までご連絡ください。
よろしくお願い致します。