火災 390号 (Vol. 74, No. 3, 2024) 2024年6月

<特集:近年の林野・泥炭地火災への取り組みについて>
前文/火災誌編集小委員会(1)
近年の林野火災における乾燥・強風条件の再現計算と将来予測/峠嘉哉(2)
林野火災における次世代空中消火システムの開発/江尻真斗,松本智憲,林富徳(8)
環境適合性の高い石けん系消火剤の開発と普及に向けた取り組み/田北美紀,栁川知樹,川原貴佳(14)
熱帯泥炭地火災の現状とその対策~インドネシア国リアウ州TL村の事例~/甲山治,亀岡大真(20)
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<能登半島地震調査報告>
「能登半島地震による建物等の火災被害調査報告(速報)」について/鈴木雄太(26)
令和6年能登半島地震後の輪島市大規模火災の焼け止まり状況と消防活動/鈴木恵子(30)
令和6年能登半島地震における輪島市大規模火災の延焼動態/篠原雅彦(33)
令和6年能登半島地震において石川県輪島市河井町で発生した大規模火災の市街地火災延焼シミュレーション/高梨健一,細川直史(37)
令和6年能登半島地震時に発生した火災現象に関する調査研究/廣井悠(42)
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火災発生事例:車両鑑識からリコールへと繋がった火災事例について/大阪市消防局(48)
消防車両紹介:工作車(強力吸引車)/東京消防庁(53)
火災・災害ニュース(55)
国際会議情報(58)
会報(59)
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新しいホームページのアドレス公開

日本火災学会は6月1日から新しいホームページに移行します。

ブックマークは下記アドレスに変更願います。(2つは表記が違うだけで同じものです)

公益社団法人 日本火災学会 (atlas.jp)

https://jafse.smoosy.atlas.jp/ja

2024年5月31日

 

 

【投稿期限:6/30】第14回アジア・オセアニア火災安全科学技術シンポジウムの開催案内

第14回アジア・オセアニア火災安全科学技術シンポジウムが下記の通りに開催されます。
皆様の積極的なご参加をお待ちします。
https://www.aosfst2024.com/

開催日:10月21~25日 
場所:韓国 テグ市
Hotel Susung
106-7 Yonghak-ro, Suseong-gu, Daegu
http://www.hotelsusung.co.kr/en/main/index.php

論文募集スケジュールは次の通りです。奮って投稿をよろしくお願いします。
6月30日 査読用論文原稿投稿
7月31日 査読結果通知
8月15日 修正原稿提出
8月31日 最終採否結果の通知
9月20日 最終版提出

対象分野
・材料の燃焼性・毒性、および関連試験方法
・燃え拡がり
・区画火災
・火災動力学
・消火
・火災時の構造挙動
・林野火災等の大規模屋外火災
・避難と人間行動
・火災リスク分析と火災安全設計
・その他、新たな分野

令和6年度定時総会開催のお知らせ

令和6年度定時総会案内および総会資料は下記をご確認ください。

総会は5月23日(木)15時からオンラインにて開催いたします。

20240510_2024年度定時総会案内
20240510_2024年度定時総会資料

 

火災 389号 (Vol. 74, No. 2, 2024) 2024年4月

<特集:車両火災とその対策>
前文/火災誌編集小委員会(1)
近年の自動車の延焼性に関わる一考察/田村陽介(2)
科学警察研究所で実施した自動車燃焼実験~車両火災時における延焼可能性~/岡本勝弘(7)
FDSによる開放性の高い自走式駐車場の火災シミュレーション/山田常圭(13)
泡消火設備の現状と課題/遠藤辰基(17)
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14th IAFSS Symposium(第14回国際火災安全科学シンポジウム)開催報告/中村祐二,桑名一徳,土橋律(23)
14th IAFSS Symposium(第14回国際火災安全科学シンポジウム)参加報告/丹野碧(27)
講演討論会「駐車場の消火設備における現状と課題」概要報告/学術委員会(31)
2023年度学術委員会と専門委員会の活動報告/学術委員会(36)
私の博士論文:ひずみ速度を考慮した高強度鋼梁の耐火性能評価/木村慧(39)
火災の仕事に就いて:防災業界に就職して/茂木眞智(44)
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火災発生事例:看板用LED照明の火災事例/東京消防庁(46)
消防車両紹介:人員輸送車(災害対応多目的車)/東京消防庁(50)
火災・災害ニュース(52)
国際会議情報(55)
日本火災学会論文集 第74巻 第1号の概要(56)
日本火災学会論文集の電子ジャーナル化及びオープンアクセス化,冊子体の廃止について(56)
2024年度日本火災学会研究発表会プログラム(57)
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会告

鹿児島県太陽光発電所内電力貯蔵施設消防職員受傷の教訓

鹿児島県太陽光発電所内電力貯蔵施設消防職員受傷の教訓

 

令和6年3月27日鹿児島県の太陽光発電所内電力貯蔵施設から発煙し、消防職員4名が受傷した。発煙から発火、爆発の経緯は地元テレビ局取材画像に残されている。防火衣と呼吸器を装着した6名と通常の活動服の4名が施設ドア付近で活動している様子が記録されている。ドアが開くと濃い白煙が周囲を覆い、消防職員の姿はわからなくなる。その後、発火し、爆発が複数回起きている。その後、防火衣とボンベを背負い、ヘルメットと面体が脱落した消防職員1名が救助されている1) 

これまでにも中国北京市の電力貯蔵設備火災に対応した消防職員2名が殉職2)、米国アリゾナ州の電力貯蔵設備発煙に対応中の消防職員4名が受傷している3)。電力貯蔵設備の発煙や火災では、異常が発生してからしばらくして爆発が起きている。消防職員が通報を受けて、現地に到着、状況を調査中に爆発となっている。そのため爆風や火炎により受傷する結果となっている。 

この教訓から電力貯蔵設備の安全設備が充実するまでの期間、消防職員は電力貯蔵設備内で爆発が起きる前提で活動を行う必要がある。立ち入り制限区域を設け、消防職員が立ち入る場合には、現場指揮所で統制を行い、防火衣と呼吸器を装着させ、爆発発生時には迅速に避難支援できるよう同様装備を装着した職員を複数待機させる必要がある4) 

リチウムイオン電池の火災を消火するためには、電池を水没させる必要がある。太陽光発電所の電力貯蔵の場合、現実的には消火不可能である。周囲への延焼を防止しながら今回のように燃え尽きさせる制御焼却となる。もし、未反応のリチウムイオン電池が残存した場合には、再燃の可能性がある。再燃は複数回起きることがあり、再燃までに一週間程度の事例もあるため、警戒を怠ってはならない。 

発災した施設に関する資料「平成26年度補正予算再生可能エネルギー接続保留緊急対応補助金(再生可能エネルギー発電事業者のための蓄電システム導入支援事業)事 業 報 告5)」を見ると類似設備が6件存在する。

 管内に類似設備が立地する消防は、この教訓を活かしてもらいたい。 

日本火災学会会長 鶴田 俊

令和6年3月30日

 

1)https://www.mbc.co.jp/news/article/2024032800070600.html

2)https://www.ctif.org/sites/default/files/2021-05/Accidental%20analysis%20%281%29.pdf

3)https://fsri.org/sites/default/files/2021-07/Four_Firefighters_Injured_In_Lithium_Ion_Battery_ESS_Explosion_Arizona_0.pdf

4)https://www.sandia.gov/app/uploads/sites/163/2023/06/2023ESSRF_Session4.2_DeCrane_Sean.pdf

5)https://sii.or.jp/re_energy26r/file/jigyouhoukoku.pdf

 

上記と同じものを下記PDFにしました。 

20240330_鹿児島爆発

2024年3月31日投稿

火災 388号 (Vol. 74, No. 1, 2024) 2024年2月

<特集:消防・防災分野におけるGX(グリーン・トランスフォーメーション)対応>
前文/火災誌編集小委員会(1)
電動可搬消防ポンププロトタイプの開発/高橋耕一郎(2)
再処理工場の火災・爆発に関する安全対策/山田立哉(7)
エネルギーシフトと泡消火技術高度化への取り組み/高嶋武士(13)
消火器リサイクルシステムによる環境負荷低減の取り組み/飯塚昌史(19)
木造建築の推進と火災安全/長岡勉(23)
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日本国内の避難用エレベーターに係るアンケート調査等の分析/城明秀(28)
エレベーター利用避難に関する国内外の事例の調査研究~海外の避難用エレベーターに係るアンケート調査の分析~/榎本満帆(33)
中国における超高層ビルの避難用エレベータと中間避難階/劉雨萌,鍵屋浩司(38)
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2024年能登半島地震速報/火災誌編集小委員会(44)
防災コラム(その20)地震時の断水に備えて防火水槽の整備は急務/関澤愛(45)
火災の仕事に就いて:建築を目指したきっかけと建築設計という立場での火災安全との関わり/中里隆大(47)
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火災発生事例:USB規格直流電源装置の不具合による火災事例(2事案)/東京消防庁(49)
消防車両紹介:救出救助車(全地形活動車)/東京消防庁(53)
火災・災害ニュース(55)
国際会議情報(58)
掲示板(59)
第62回火災科学セミナー開催結果(60)
賛助会員名簿(64)
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会告

能登半島地震における火災調査報告会 開催結果

 日本火災学会主催、参加登録者335名(会員174名、賛助会員9名、非会員152名)で、2024215日午前10時半~12時半にオンラインで開催した。日本火災学会鶴田俊会長の開会あいさつのあと、各調査主体から下記の調査報告をいただいた。各報告の概要については、それぞれのリンク先をご参照してください。
 報告後、 1)発生した現象に関して、耐火造で囲まれた場所への延焼や少し道幅のある道路を越えた延焼について飛び火・火の粉や建物損壊等によるLPガスボンベからの漏洩、LPガスボンベからの爆発的な燃焼等について検討する必要性、2)調査の問題点・課題について、個人情報保護の観点から出火原因についての情報を得にくいこと、火災直後の焼け跡の瓦礫等の状況についてのドローンによる解像度の高い記録の重要性、ヘリコプターから撮影した燃焼中の映像の研究への活用、出火現場の微地形による火災性状への影響を検討すること、電柱の傾き等によってわかるそれぞれの場所での地震動と火災の関係を検討すること、3)地震火災・津波火災の対策について、今回のような激震で倒壊が激しい中での大規模火災とならなかった地震火災の経過をよく調査したり、現在の都市内で使われている様々な形態で貯蔵・活用されている各種エネルギーが激震によって損傷されたり相互の影響などの経緯により火災となること精査して出火防止対策につなげることの必要性についてのコメントがあった。
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能登半島地震における地震火災の発生状況(東京大学・地震火災専門委員会)
廣井 悠 東京大学先端科学技術研究センター
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能登半島地震による建物等の火災被害調査報告(国総研・建研)
鈴木 雄太 国立研究開発法人建築研究所防火研究グループ
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能登半島地震後の輪島市大規模火災調査について
鈴木 恵子 総務省消防庁消防研究センター大規模火災研究室
篠原 雅彦 総務省消防庁消防研究センター大規模火災研究室 
高梨 健一 総務省消防庁消防研究センター地震等災害研究室
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能登半島地震に伴う地震火災・津波火災
西野 智研 京都大学防災研究所社会防災研究部門
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ドローンを活用した火災現場調査について
ピニェイロ アベウ タイチ コンノ 東京大学大学院工学系研究科
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能登半島地震における火災調査報告会 開催のお知らせ

2024年1月1日に能登半島北部で発生した地震・津波により多数の家屋被害がもたらされたと同時に、これらの現象を起因とする火災も多数発生し、火災による被害は甚大なものとなりました。日本火災学会地震火災専門委員会及び各研究機関では、これらの火災についての調査が行われてきているところですが、本報告会では各調査主体からの現在までの調査結果を報告いただくとともに、今後の調査・研究及び対策のあり方について議論します。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

主催:日本火災学会
日時:2024215日(木)午前10時~12
会場:オンライン(Teamsウェビナー)
   (リンクは、下記のPeatixにお申込みによりお知らせします。)
詳細・申込はPeatixイベントページを参照願います。

2024年度日本火災学会研究発表会 発表申込・原稿提出受付 (発表希望の方)

2024年度の研究発表会を525日(土)と26日(日)に対面で開催します (ただし,オンラインによる一方向配信 (視聴のみ) を予定)。火災に関わる幅広い分野にわたる皆様の研究成果を発表・討論する場としてご活用ください。また,学生にも積極的に発表してもらえるよう学生奨励賞を設けております。発表形式には通常 (口頭) 発表,ポスター発表,オーガナイズドセッション発表があります。発表はすべて現地会場で行います。 

事業収支を健全に保つために,参加に係る費用体系が近年変更されておりますので,下の費用欄をよくご確認ください。従来からの主な変更点は,発表登録者は発表登録料をお支払い頂く必要があることです。発表登録者は概要集 (PDF のダウンロード配布) を無料でダウンロードできるため,概要集の申込は不要です。なお,オンライン視聴ではポスター発表など一部のセッションが配信されないことを予めご了承ください。 

Peatix (イベントプラットフォーム) より事前に発表登録費・参加費を納入して頂きます。同サイトを初めてご利用の方は,Peatix への事前登録が必要です。Peatixのアカウント作成時に登録いただいたメールアドレスに最新情報をお送りする場合があります。 

・主催 :日本火災学会
・開催日:2024525 ()26 ()
・会場 :東京理科大学野田キャンパス
      オンライン配信(一方向配信の視聴のみ)
・発表申込,原稿提出受付開始 :2024129日(月)13:00
・発表申込・原稿提出締切
   通常(口頭)発表    2024226日(月) 1700
   ポスター発表      :202438日(金) 1700

・支払方法:クレジットカード(VISAMasterCardJCBAMEXDiscover, Diners Club),
      コンビニ/ATM決済,PayPal,銀行口座振替
      上記以外の支払い方法を希望する場合は,
      学会事務局(TEL03-3813-8308)へお問い合わせください。

・発表登録費,参加費:発表は現地会場での対面のみで概要集代が含まれています。
      正会員 11,000円(発表登録費8,000+参加費3,000円)
      学生   9,000円(発表登録費8,000+参加費1,000円)
発表者は正会員または学生会員に限ります(賛助会員の資格だけでは規定により発表できません)。ただし,OSのみオーガナイザが認めれば正会員または学生会員以外も発表可能です。

 ・発表登録費・参加費のお支払いは こちら
 ※発表登録費および参加費の納入後でないと発表申込はできません。
 ※発表申込及び原稿提出はPeatix上の「イベント視聴」ページから行うことができます。
  マイチケット → 対象チケットのイベントに参加ボタン → イベント視聴 

 研究発表会の詳細は こちら
 原稿執筆要領は こちら
 ポスター発表の詳細は こちら

 ◆注意事項◆
・発表内容及び会場の撮影,録音,録画を禁止します。 

申し込みについて
1 回につき一人の決済を行います。複数人まとめての入金を絶対に行わないでください
 事務局側で入金と該当者を突き合わせることができません。
・発表申込及び原稿登録,概要集のダウンロード,オンライン配信動画の視聴は
 Peatix上の「イベント視聴」ページから行うことができます。
 マイチケット → 対象チケットのイベントに参加ボタン → イベント視聴
・ご登録いただいたメールアドレス宛に,ご案内をさせていただく場合がございます。
 「peatix.com」からのメールを許可するように,設定の変更をお願いします。

 領収書について
・各支払い方法での支払いの際に発行される領収書を社内,学内,各種申告等での
 手続きで用いてください。
・なお,Peatix上でイベント名,主催者,金額などが記載された領収データも発行可能です。
・申込時に学会発行の領収書が必要と回答頂いた方には,別途事務局より領収書を発行致します。

 キャンセルについて
・原則承っておりません。
・やむをえない事情によるキャンセルをご希望の場合,手数料を差し引いた額を返金いたします。 

お気づきの点ありましたら,事務局(kasaijp*kasaikenkyu.org)までご連絡ください (*をアットマークに替えてください)。
よろしくお願い致します。

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