火災 388号 (Vol. 74, No. 1, 2024) 2024年2月

<特集:消防・防災分野におけるGX(グリーン・トランスフォーメーション)対応>
前文/火災誌編集小委員会(1)
電動可搬消防ポンププロトタイプの開発/高橋耕一郎(2)
再処理工場の火災・爆発に関する安全対策/山田立哉(7)
エネルギーシフトと泡消火技術高度化への取り組み/高嶋武士(13)
消火器リサイクルシステムによる環境負荷低減の取り組み/飯塚昌史(19)
木造建築の推進と火災安全/長岡勉(23)
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日本国内の避難用エレベーターに係るアンケート調査等の分析/城明秀(28)
エレベーター利用避難に関する国内外の事例の調査研究~海外の避難用エレベーターに係るアンケート調査の分析~/榎本満帆(33)
中国における超高層ビルの避難用エレベータと中間避難階/劉雨萌,鍵屋浩司(38)
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2024年能登半島地震速報/火災誌編集小委員会(44)
防災コラム(その20)地震時の断水に備えて防火水槽の整備は急務/関澤愛(45)
火災の仕事に就いて:建築を目指したきっかけと建築設計という立場での火災安全との関わり/中里隆大(47)
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火災発生事例:USB規格直流電源装置の不具合による火災事例(2事案)/東京消防庁(49)
消防車両紹介:救出救助車(全地形活動車)/東京消防庁(53)
火災・災害ニュース(55)
国際会議情報(58)
掲示板(59)
第62回火災科学セミナー開催結果(60)
賛助会員名簿(64)
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会告

シンポジウム「全館避難の再考 ~超高層・高層建築物からの避難戦略~」の開催案内

 避難行動専門委員会では「全館避難の再考 ~超高層・高層建築物からの避難戦略~」をテーマとするシンポジウムを下記の通り開催致します。
会員の皆様におかれましては、年度末でご多用のことと存じますが,当委員会の活動報告も兼ねた企画になっておりますので,ご参加のほど宜しくお願い申し上げます。

開催日時:2024年3月21日(木)13時30分から16時30分まで
     (最長でも17時まで)
開催場所:東京理科大学神楽坂キャンパス森戸記念館
     地下1階 第1フォーラム
     ※オンライン参加も可能です
参 加 費:無料

申込方法・プログラムなどの詳細は下記案内をご参照ください。
3月19日・2頁目にプログラムを追加しました。
20240321_日本火災学会シンポジウム_全館避難の再考 ~超高層・高層建築物からの避難戦略~ 開催案内・プログラム

避難行動専門委員会 主査:水野雅之 幹事:榎本満帆

お問い合わせ:東京理科大学 水野(mizuno@rs.tus.ac.jp)

能登半島地震における火災調査報告会 開催結果

 日本火災学会主催、参加登録者335名(会員174名、賛助会員9名、非会員152名)で、2024215日午前10時半~12時半にオンラインで開催した。日本火災学会鶴田俊会長の開会あいさつのあと、各調査主体から下記の調査報告をいただいた。各報告の概要については、それぞれのリンク先をご参照してください。
 報告後、 1)発生した現象に関して、耐火造で囲まれた場所への延焼や少し道幅のある道路を越えた延焼について飛び火・火の粉や建物損壊等によるLPガスボンベからの漏洩、LPガスボンベからの爆発的な燃焼等について検討する必要性、2)調査の問題点・課題について、個人情報保護の観点から出火原因についての情報を得にくいこと、火災直後の焼け跡の瓦礫等の状況についてのドローンによる解像度の高い記録の重要性、ヘリコプターから撮影した燃焼中の映像の研究への活用、出火現場の微地形による火災性状への影響を検討すること、電柱の傾き等によってわかるそれぞれの場所での地震動と火災の関係を検討すること、3)地震火災・津波火災の対策について、今回のような激震で倒壊が激しい中での大規模火災とならなかった地震火災の経過をよく調査したり、現在の都市内で使われている様々な形態で貯蔵・活用されている各種エネルギーが激震によって損傷されたり相互の影響などの経緯により火災となること精査して出火防止対策につなげることの必要性についてのコメントがあった。
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能登半島地震における地震火災の発生状況(東京大学・地震火災専門委員会)
廣井 悠 東京大学先端科学技術研究センター
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能登半島地震による建物等の火災被害調査報告(国総研・建研)
鈴木 雄太 国立研究開発法人建築研究所防火研究グループ
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能登半島地震後の輪島市大規模火災調査について
鈴木 恵子 総務省消防庁消防研究センター大規模火災研究室
篠原 雅彦 総務省消防庁消防研究センター大規模火災研究室 
高梨 健一 総務省消防庁消防研究センター地震等災害研究室
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能登半島地震に伴う地震火災・津波火災
西野 智研 京都大学防災研究所社会防災研究部門
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ドローンを活用した火災現場調査について
ピニェイロ アベウ タイチ コンノ 東京大学大学院工学系研究科
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能登半島地震における火災調査報告会 開催のお知らせ

2024年1月1日に能登半島北部で発生した地震・津波により多数の家屋被害がもたらされたと同時に、これらの現象を起因とする火災も多数発生し、火災による被害は甚大なものとなりました。日本火災学会地震火災専門委員会及び各研究機関では、これらの火災についての調査が行われてきているところですが、本報告会では各調査主体からの現在までの調査結果を報告いただくとともに、今後の調査・研究及び対策のあり方について議論します。皆様のご参加をお待ち申し上げます。

主催:日本火災学会
日時:2024215日(木)午前10時~12
会場:オンライン(Teamsウェビナー)
   (リンクは、下記のPeatixにお申込みによりお知らせします。)
詳細・申込はPeatixイベントページを参照願います。

2024年度日本火災学会研究発表会 発表申込・原稿提出受付 (発表希望の方)

2024年度の研究発表会を525日(土)と26日(日)に対面で開催します (ただし,オンラインによる一方向配信 (視聴のみ) を予定)。火災に関わる幅広い分野にわたる皆様の研究成果を発表・討論する場としてご活用ください。また,学生にも積極的に発表してもらえるよう学生奨励賞を設けております。発表形式には通常 (口頭) 発表,ポスター発表,オーガナイズドセッション発表があります。発表はすべて現地会場で行います。 

事業収支を健全に保つために,参加に係る費用体系が近年変更されておりますので,下の費用欄をよくご確認ください。従来からの主な変更点は,発表登録者は発表登録料をお支払い頂く必要があることです。発表登録者は概要集 (PDF のダウンロード配布) を無料でダウンロードできるため,概要集の申込は不要です。なお,オンライン視聴ではポスター発表など一部のセッションが配信されないことを予めご了承ください。 

Peatix (イベントプラットフォーム) より事前に発表登録費・参加費を納入して頂きます。同サイトを初めてご利用の方は,Peatix への事前登録が必要です。Peatixのアカウント作成時に登録いただいたメールアドレスに最新情報をお送りする場合があります。 

・主催 :日本火災学会
・開催日:2024525 ()26 ()
・会場 :東京理科大学野田キャンパス
      オンライン配信(一方向配信の視聴のみ)
・発表申込,原稿提出受付開始 :2024129日(月)13:00
・発表申込・原稿提出締切
   通常(口頭)発表    2024226日(月) 1700
   ポスター発表      :202438日(金) 1700

・支払方法:クレジットカード(VISAMasterCardJCBAMEXDiscover, Diners Club),
      コンビニ/ATM決済,PayPal,銀行口座振替
      上記以外の支払い方法を希望する場合は,
      学会事務局(TEL03-3813-8308)へお問い合わせください。

・発表登録費,参加費:発表は現地会場での対面のみで概要集代が含まれています。
      正会員 11,000円(発表登録費8,000+参加費3,000円)
      学生   9,000円(発表登録費8,000+参加費1,000円)
発表者は正会員または学生会員に限ります(賛助会員の資格だけでは規定により発表できません)。ただし,OSのみオーガナイザが認めれば正会員または学生会員以外も発表可能です。

 ・発表登録費・参加費のお支払いは こちら
 ※発表登録費および参加費の納入後でないと発表申込はできません。
 ※発表申込及び原稿提出はPeatix上の「イベント視聴」ページから行うことができます。
  マイチケット → 対象チケットのイベントに参加ボタン → イベント視聴 

 研究発表会の詳細は こちら
 原稿執筆要領は こちら
 ポスター発表の詳細は こちら

 ◆注意事項◆
・発表内容及び会場の撮影,録音,録画を禁止します。 

申し込みについて
1 回につき一人の決済を行います。複数人まとめての入金を絶対に行わないでください
 事務局側で入金と該当者を突き合わせることができません。
・発表申込及び原稿登録,概要集のダウンロード,オンライン配信動画の視聴は
 Peatix上の「イベント視聴」ページから行うことができます。
 マイチケット → 対象チケットのイベントに参加ボタン → イベント視聴
・ご登録いただいたメールアドレス宛に,ご案内をさせていただく場合がございます。
 「peatix.com」からのメールを許可するように,設定の変更をお願いします。

 領収書について
・各支払い方法での支払いの際に発行される領収書を社内,学内,各種申告等での
 手続きで用いてください。
・なお,Peatix上でイベント名,主催者,金額などが記載された領収データも発行可能です。
・申込時に学会発行の領収書が必要と回答頂いた方には,別途事務局より領収書を発行致します。

 キャンセルについて
・原則承っておりません。
・やむをえない事情によるキャンセルをご希望の場合,手数料を差し引いた額を返金いたします。 

お気づきの点ありましたら,事務局(kasaijp*kasaikenkyu.org)までご連絡ください (*をアットマークに替えてください)。
よろしくお願い致します。

2024年度日本火災学会研究発表会 事前及び当日参加申込(参加のみを希望の方)

2024年度の研究発表会を525日(土)と26日(日)に対面で開催します (ただし,オンラインによる一方向配信 (視聴のみ) を予定)。火災に関わる幅広い分野にわたる皆様の研究成果を発表・討論する場としてご活用ください。
事業収支を健全に保つために,参加に係る費用体系が近年変更されておりますので,下の費用欄をよくご確認ください。従来からの主な変更点は、概要集 (PDF のダウンロード配布) は参加費とは別にご購入頂く必要があることです。
なお,オンライン視聴ではポスター発表など一部のセッションが配信されないことを予めご了承ください。

Peatix (イベントプラットフォーム) より事前に参加費・概要集代を納入して頂きます。同サイトを初めてご利用の方は,Peatixへの事前登録が必要です。Peatixのアカウント作成時に登録頂いたメールアドレスに最新情報をお送りする場合があります。

・主催 :日本火災学会
・開催日:2024525()26()
・会場 :東京理科大学野田キャンパス
     オンライン配信(一方向配信の視聴のみ)
・参加申し込み受付開始:2024129日(月)13:00
・参加申し込み受付終了:2023520日(月)17:00
・支払方法:クレジットカード(VISAMasterCardJCBAMEXDiscover, Diners Club),
      コンビニ/ATM決済,PayPal,銀行口座振替
      上記以外の支払い方法を希望する場合は,
      学会事務局(TEL03-3813-8308)へお問い合わせください。

・参加費:対面,オンラインどちらでも参加可
     正会員及び賛助会員 3,000
     学生        1,000
     非会員       6,000

・概要集代:8,000
概要集を購入された方は,2024 5 20 日以降に公開予定の概要集 PDF Peatix 内でダウンロードしてください。なお,本年度より,ディスク版の概要集の送付を行わないことにしました。

 参加費・概要集代のお支払いは こちら
 参加費のみのお支払いは こちら
 研究発表会の詳細は こちら

申し込みについて
1 回につき一人の決済を行います。複数人まとめての入金を絶対に行わないでください
 事務局側で入金と該当者を突き合わせることができません。
・ご登録いただいたメールアドレス宛に,ご案内をさせていただく場合がございます。「peatix.com」からのメールを許可するように,設定の変更をお願いします。

 領収書について
・各支払い方法での支払いの際に発行される領収書を社内,学内,各種申告等での手続きで
 用いてください。
・なお,Peatix 上でイベント名,主催者,金額などが記載された領収データも発行可能です。
・申込時に学会発行の領収書が必要と回答頂いた方には,別途事務局より領収書を発行致します。

キャンセルについて
・原則承っておりません。
・やむを得ない事情によるキャンセルをご希望の場合,手数料を差し引いた額を返金いたします。

お気づきの点ありましたら,事務局(kasaijp*kasaikenkyu.org)までご連絡ください (*をアットマークに替えてください)。
よろしくお願い致します。

令和6年能登半島地震における地震火災について(地震火災専門委員会)

 2024111610分に能登半島北部で発生した地震は,多数の家屋倒壊や津波による被害を与えたが,この地震に伴って地震火災も複数発生している.このなかには,能登町白丸,珠洲市宝立町での火災など隣棟延焼にまで至った火災も確認されているが,なかでも震度6強を観測した輪島市の河井町朝市通り周辺で出火した火災は,およそ300棟が延焼した甚大な被害となった.

 近年に発生した大規模な市街地火災としては,201612月に発生した糸魚川市大規模火災が記憶に新しい.糸魚川市大規模火災は,木造住宅が密集した地域という地域特性と,新潟地方気象台が強風注意報を発表するほどの風速10 m/sを超えた強風という自然条件,そしてこれによる飛び火に伴う同時多発的な延焼拡大によって,焼失棟数147 棟,焼失面積約30,213 ㎡という甚大な被害となっている.しかしながら,輪島市の河井町朝市通り周辺での大規模延焼は,現時点で糸魚川市大規模火災をこえる焼失棟数となっている.

 日本火災学会地震火災専門委員会は,この火災について現地調査を行った.ここでは,その調査結果をはじめとして,現時点で得られる情報から,この火災に関する概要を速報する.

 なお,今後計画している現地調査の結果も踏まえ,215日(木)午前(予定)にオンラインで報告会を開催します。
(詳細は決まり次第、今後お知らせします。)
 
<能登半島地震に係る火災についての調査報告>
・日本火災学会地震火災専門委員会
調査報告速報資料 20240106_令和6年能登半島地震における地震火災について 

その他の研究機関でも調査が行われているところですが、現在までに下記の報告について、お知らせがありましたので、下記にリンクを示します。
・国土交通省国土技術政策総合研究所・国立研究開発法人建築研究所
 令和6年(2024年)能登半島地震による建物等の火災被害調査報告(速報)
 (リンク先:https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20240115.pdf
・京都大学防災研究所
 2024年能登半島地震に伴う地震火災・津波火災について(速報)
 (リンク先:https://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/contents/wp-content/uploads/2024/01/Nishino_20240122_Fire-following-earthquake-aspects-of-the-2024-Noto-Peninsula-earthquake.pdf

作成日:1月12日
更新日:1月24日

令和6年(2024年)能登半島地震で被災された方々へのお見舞い及び地震火災への注意喚起

2024年1月1日16時10分ごろ石川県能登地方を震源とする一連の地震により、石川県志賀町では震度7が観測され、石川県内の各市町村をはじめ、北陸地方を中心に甚大な被害が発生しています。特に、輪島市では朝市通り周辺で大規模な火災が発生し、200棟以上が焼失するなど、地震による火災が発生しております。この震災によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

日本火災学会では、地震により発生する火災について調査研究を行い、報告書などを公表してまいりました。気象庁によれば、ここ暫らくは比較的大きな地震の発生への注意が必要とのことです。大きな地震が既に発生した現在の状況、及び、今後発生する地震の後では以下のような火災が多く発生する恐れがあり、火災被害を防止するため、火の元には十分注意してください。

○停電復旧時に、地震で転倒または可燃物に触れた電気器具等から発生する通電火災
○ロウソクなど、裸火の使用による火災
○破損した風呂釜・ボイラーの煙突の使用による火災
○熱源機器の本来目的以外の使用による火災
○損傷した太陽光パネルの発電にともなう火災
○がれきや廃棄物等を積み上げたために蓄熱して生じる火災

注意すべきポイントは下記にも掲載されています。

<消防研究センター>
  地震後の火災防止について(注意喚起)

<環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部・廃棄物対策課>
  仮置場における火災発生の防止について

作成日 2024.1.4
更新日 2024.1.4

火災 387号 (Vol. 73, No. 6, 2023) 2023年12月

<特集:人口減少社会における火災安全>
前文/火災誌編集小委員会(1)
超高齢・人口減少社会の火災/鈴木恵子(2)
人口減少社会における消防体制/小林恭一(7)
人口減少時代における消防団の現状と課題/永田尚三(13)
人口減少社会に対応した避難研究へのVR 技術の利用可能性/峯岸良和(18)
超高齢社会におけるセンサやロボット技術を活用した避難の可能性/鍵屋浩司(24)
耐火被覆吹付ロボットの開発/野村勇樹,南川達浩,中村知行(30)
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マウイ島ラハイナの大規模火災と避難について/関澤愛(36)
第11回PED2023に関する国際会議報告/ピニェイロ アベウ タイチ コンノ(40)
「女子中高生夏の学校2023」ポスター展示への参加報告/総務委員会(44)
私の博士論文:火災時における梁端ドリフトピン接合部の温度と耐力が構造用集成材梁の破壊時間に及ぼす影響に関する実験的研究/菊地毅之(45)
火災の仕事に就いて:人間科学の視点から火災避難研究に取り組むにあたっての抱負/船木菜々子(49)
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火災発生事例:エアコン室外機のディーゼル爆発/大阪市消防局(51)
消防車両紹介:クレーン車/東京消防庁(56)
火災・災害ニュース(58)
国際会議情報(61)
日本火災学会論文集 第73巻第3号の概要(62)
会誌「火災」第73巻(2023年)の年間目次(63)
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会告

日本火災学会賞等の候補者推薦のお願い

日本火災学会賞等の候補者推薦に関する資料を以下に示します。
受賞候補者を推薦くださいますようお願いいたします。

01■令和6年度日本火災学会賞候補者推薦のお願い■20230929_jo
02■令和6年度内田奨励賞候補者推薦のお願い■20230929_jo
03■令和6年度技術賞・業績賞の会告20230929_jo

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