日本火災学会会長 あいさつ

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会長あいさつ

 

-コロナ禍の困難な中でも着実に活動を発展させ社会の要請に応える-

 

第30代会長 北後 明彦

 

コロナ禍により様々な影響を受ける中であっても、会員の皆様方のご努力・ご協力により、日本火災学会研究発表会や講演討論会、火災セミナー等の開催、火災誌の発行、日本火災学会論文集の刊行、そして各専門委員会による活発な活動が継続して行われています。このような状況の中、本会では新しい任期の理事会が発足し、その会長に選任されました。

昨年開催された日本火災学会70周年記念式典では、今の社会と日本火災学会に突き付けられている課題に応え、火災学会が持続するために組織を強化し、①現在、実際に起きている火災との関りで何を火災学会として取り組むか議論する、②専門分化した狭い枠に閉じこもらず分野横断的な学会として消防と建築、火災科学を総合的につなぐ、③火災学会だからこそできる子供向け啓発活動や安全への取り組みの制度構築などで、さまざまな世界とつながる、といったことが問題提起されました。

現代的な課題に取り組み、会員間での交流を深め、世界に発信するためには、これまでの活動スタイルをそのまま継続するだけでは組織の硬直化が起こり、会員の創意が活かされないことになります。そのため、理事会、各種委員会・専門委員会においては、定常的な議題の処理は迅速にし、残りの時間はその時点での必要な課題について大いに議論していくことが大事と考えます。議論したことは会員の皆様に先日整備したメール配信により情報発信し、そのメールに答えていただく形で広く会員各位からのご意見を賜りたいと考えています。

現在、火災学会の各種会議は、オンライン会議システムを使って開催しています。職場・自宅から移動時間なく会議へ参加できるため負担が少なく、会議に集中する工夫をすれば効率的な運営につながります。一方、各種イベントを、これまでの形式を維持して専門業者に依頼してオンライン等で行おうとすると非常に高コスト化します。今後、ポストコロナを見据えてインターネットをかしこく利用し、低コストで、かつ、全国各地の会員が活発に各種の火災学会の活動に参加できるようなスタイルを探っていきたいと思います。例えば、実務者が企画するオンライン勉強会等です。一方、研究発表会等では、対面による真剣な議論を行える場をつくっていくことも重要と考えます。

火災は社会の状況の変化の中で起こります。2019年10月の首里城火災は、原因については不明とされていますが、ハード(建築物・設備)とソフト(管理・運用)が密接に連動した総合的な防止策の検討が求められています。各地の文化財は火災の発生した首里城と同様の状況に置かれていると思われます。また、温暖化にともなってこれまでに想定されていな気象状況となり、洪水災害、土砂災害が頻発し、高齢者を中心に避難誘導、人命救助活動が課題となっています。これらは検討が必要な現代的な課題の一端ですが、火災学会として、こうした課題に機敏に、果敢に取り組む必要があります。場合によっては、これまでの専門委員会の枠を超えて関心のある会員に集まっていただき、また、火災学会の外とのコンタクトもとって、各種情報にあたって検討していきたいと思います。新たな課題を火災学会として取り上げていきたいと思われる会員の皆様は、ぜひご連絡いただけると幸いです。

先日の総会(2021年5月開催)では、日本火災学会の定款を変更し、海外での活動も行えるようにしました。これは、火災研究の国際化を重要な課題と考え、日本火災学会を主催者としてシンポジウムやワークショップ等を開催できるようにしたものです。今後、機会があればこの仕組みを活用していきたいと考えています。当面、2023年の第14回IAFSSを日本で開催する準備を周到に進めていきます。

最後になりますが、会員の皆様の益々のご活躍を祈念し、皆様のご期待に応えられるよう努めてまいる所存です。よろしくご支援、ご鞭撻の程、お願い申し上げます。

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