日本火災学会論文集 (Vo.57, No.1, 2007) 2007年2月

複数の火源が立体的に存在する火災の熱フィードバック量の推定 [福田 真弓,工藤 祐嗣,伊藤 昭彦] (1)
 複数火源が立体的に存在する際の対流と放射による熱フィードバック量を推定するため,分離火炎モデルと融合火炎モデルの2つを提案し,検証した。対流熱流束の推定は,他方の火災による高温プル-ムの影響を考慮したグラスホフ数を導入した。その結果,2つのプール火災の水平距離が近い場合は,立体的な配置においても融合火炎モデルが実験結果とよく一致する。互いの火源の距離が離れると分離火炎モデルが適用でき,水平配置では他の火炎からの放射が,立体配置では対流と放射の両方が影響する。また,火源のスケール効果について検討した結果,上方に位置する火災は火源の径が 0.2m以下では対流の影響が大きく,火源の径が 0.5m以上ではほぼ放射が支配的となる。

防火安全評価システムの最適性に関する理論的検討 [青木 義次] (11)
 防火安全評価法の改善のための議論が盛んであるが,かみ合わないこともある。本研究では,議論の共通枠組みを構築するため,評価システムの最適性について理論的に検討した。まず,簡単な考察から評価システムの意義・役割を明確化した。次に,損失最小評価システムが持つべき要件を求めた。また,この要件を確保するため,工学的データの蓄積とともに社会的に決まる量の把握も重要となることを示した。さらに,誤り最小評価システムが持つべき要件を求めた。最後に,実際の評価システムで用いられているポイント加算型評価システムについて検討し,各評価項目が統計的に独立の場合には,ポイント加算型評価システムでも損失最小評価システムになりうることを示した。

地下鉄駅舎火災における煙流動性状-数値流体解析による島式ホーム駅舎の煙流動性状の再現と安全対策の検討- [岡澤 尚美,長谷見 雄二,森山 修治,南 東君,丁 文?] (17)
 本論文は第56巻第2号掲載の「地下鉄駅舎火災における煙流動性状」の続報であり,地下鉄駅舎内の煙流動性状を現在実用的に利用されているレベルの商用CFDモデルで解析している。対象空間を一辺数百㎜から千㎜の格子に分割し,初期火災を想定した火災実験で認められた煙流動性状を,2層ゾーンモデルでは再現困難な特徴を含めて良く再現することができた。これにより,地下鉄駅舎の煙流動性状予測や煙制御対策の有効性評価の手法として,現在実用的に利用されているレベルの商用CFDモデルが有効に機能することが確認できた。

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