日本火災学会論文集 (Vo.56, No.3, 2006) 2006年12月

複数の火源が立体的に存在する火災の燃焼特性 [福田 真弓,工藤 祐嗣,伊藤 昭彦] (1)
 複数の火源が立体的に存在する際の火災性状を明らかにすることを目的に,水平ならびに垂直方向に配置された2つの小型プール火災の質量燃焼速度変化,火炎形状,火炎高さと火炎高さの振動を実験的に調査した。複数火災で水平に配置した場合,質量燃焼速度は一定距離までは単一火災の質量燃焼速度よりも大きくなる。また,輝炎のn-ヘプタン火災と不輝炎のメタノール火災とでは相互干渉の影響に差が生じる。火災を立体的に配置した場合,上方に配置された火災の質量燃焼速度は単一火災に比べ35~40%程度増加する。火炎高さおよびその振動周波数は火源間の距離と配置によって変化する。とりわけ立体的に配置した場合,上方に配置した火災の火炎高さは減少するが,その振動周波数は単一火源のそれに比べ最大50%程度増加した。

放水の物理的火災抑制効果に着目した地域住民の消火活動モデル [樋本 圭佑,幾代 健司,秋元 康男,北後 明彦,田中 哮義] (9)
 本論文では,筆者らがこれまでに開発してきた都市火災性状予測モデルに対して,放水の物理的火災抑制効果,ならびに都市火災時における住民の消火活動行動を組み込むことで,可搬ポンプ等を利用した地域消火活動の有効性を定量的に評価可能なモデルへと発展させた。ケーススタディとして,同形状の建物が等間隔に並んだ仮想的な市街地に本モデルを適用し,消防水利の整備状況が市街地の火災安全に及ぼす効果について基礎的な検討を加えた。

地下鉄駅舎火災における煙流動性状 -相対式ホーム駅舎の火災初期における煙流動性状- [森山 修治,長谷見雄二,岡澤 尚美,南 東君,丁 文?] (21)
 本論文は第56巻第2号掲載の「地下鉄駅舎火災における煙流動性状」の続報であり,既報の島式ホーム実験結果につづき,稼働中の相対式ホーム型地下鉄駅舎での煙流動実験結果を報告している。実験では地下鉄駅舎内の風速・温度を測定して煙流動モデルの検証に利用し得るデータを得るとともに,①ホーム階段シャッター開放時に外部風がホーム上の階段周辺の煙層に与える影響が島式より少ないこと,②煙伝播の影響が島式に比べて広範囲に及ぶこと,特に小規模火源においても対向ホーム側へ煙が伝播すること等についての知見を得た。

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