日本火災学会論文集 (Vo.56, No.1, 2006) 2006年2月

アラスカの大規模森林火災について-衛星と気象データによる考察- [早坂洋史,福田正己,串田圭司,中右浩二,木村圭司] (1)

 高緯度地帯に分布する北方林では,気候変動により,森林火災が発生しやすい状態にある。2002年にシベリア・サハ共和国で,2003年にバイカル湖周辺で,2004~2005年に北米・アラスカで大火災が発生した。大規模な森林火災からは,地球温暖化ガスの二酸化炭素が大量に排出されており,森林火災の特性把握と防止策の確立が急がれている。本論文では,2004年のアラスカ大森林火災を,衛星と気象のデータを使って詳細に検討すると共に,CADを利用し,ホットスポットデータから焼損面積を算出する手法を開発した。この結果,6月下旬に発生した火災のほとんどが8月まで燃え続けたこと,火災の活発化する気象条件,焼損面積の拡大経過などを明らかにした。

ケイ酸ナトリウムを混合させた高含水耐火材の遮熱性能 [大高武士,浅古 畳] (9)

 耐火庫用耐火材の遮熱性能を向上させるため,潮解性のあるケイ酸ナトリウムをパーライトモルタルに分散混合させた耐火材の遮熱性能を調べるための実験を行った.まず,メタケイ酸ナトリウム,メタニケイ酸ナトリウム,メタ三ケイ酸ナトリウムの含水率を調べ,その中でメタケイ酸ナトリウムの含水率が最も多いことを見出した。ついで,メタケイ酸ナトリウムをパーライトモルタルに分散混合させた耐火材を試作し,その含水率,潜熱量,熱伝導率等の基礎熱物性を調べ,メタケイ酸ナトリウムの配合割合の影響を明らかにした.最後に,電気炉を用いた模擬耐火試験を行い,ケイ酸ナトリウムをパーライトモルタルに分散混合させた耐火材の耐火時間を明らかにした。

低換気状態で連続的に発生するバックドラフトのモデル化 [工藤祐嗣,早坂洋史,橋本好弘,橋上 勉,伊藤献一] (15)

 本論文は,一層ゾーンモデルを用いて低換気状態で発生するバックドラフトのシミュレーションモデルを構築し,計算を行った結果を報告したものである。一般的に用いられる一層ゾーンモデルに,壁面に配置した可燃材料の熱分解と自己着火を表現できるアレニクス型の発熱速度モデルを組み合わせた。計鼻結果では,実験結果と同様に複数回のバックドラフトによる温度上昇が見られた。また,開口部形状と開口因子を変化させて計算を行った結果,最もバックドラフト発生回数が多い開口因子が存在し,開口部の形状によってその最大値と最大値に達する開口因子の値は変化した。以上より,火災現場におけるバックドラフトが発生しない開口部設定の基礎データが得られた。

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