日本火災学会論文集 (Vo.55, No.3, 2005) 2005年12月

階段室内火災時における鉛直方向温度・煙濃度の予測法 [仁井大策,原田和典] (1)

階段室内において上方への煙の拡散性状を予測するために,実験結果に基づいて鉛直温度,煙濃度分布の予測モデルを作成した。火源上方に開口が無い場合には,密度勾配による乱流拡散として煙の拡散をモデル化した。乱流拡散係数は手すりおよび段床により堅シャフトの1/12に減少することを示した。火源上方に開口が有る場合には,煙の流れを煙突効果によるピストン流で近似した。ダクト内の流れと同様の手法で定式化し,既往の実験から階段1層当たりの形状抵抗係数を32.7とした。火源階は二層ゾーンモデルで近似し,これらのモデルと組み合わせた。実験結果と比較した結果,温度分布,二酸化炭素濃度分布ともに良い一致を示した。

ノート:階段室内火災時における煙流動性状の測定 [仁井大策,原田和典,大宮喜文,萩原一郎,山名俊男] (11)

階段室内において上方への煙の拡散性状を調べるために,種々の開口条件および火源位置の組み合わせに対して実大実験を行った。階段室の断面積は17.3㎡であり,高さは25.6mである。実験結果より煙の拡散性状は定性的に3種類に分類できた。第一に,火源上方に開口が無い場合,煙は上部の空気と混合しながらゆっくりと上昇した。鉛直方向の温度は上方階ほど指数関数的に低下し,最上階では温度はほとんど上昇しなかったが,二酸化炭素濃度は時間とともに最上階でも徐々に上昇した。第二に,火源上方に開口が有る場合,火源上方に開口が無い場合と比較して煙は煙突効果により速く上昇した。定常温度分布は火源上方に開口が無い場合とほぼ同じであったが,火源上方の二酸化炭素濃度分布は均一となった。最後に,火源が最上階におかれた場合,火源より下方への煙の拡散がみられたが,煙に汚染される範囲は狭かった。

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