日本火災学会論文集 (Vo.55, No.1, 2005) 2005年2月

サハ共和国における森林火災の最近の傾向と2002年大規模火災 [早坂洋史,木村圭司,工藤純一] (1)

ロシア極東サハ共和国の森林火災傾向について気象データを基に検討した。最近の焼損面積の増大傾向は,気象変動に伴う気温の上昇,5~9月の降水量の減少,特に,日平均降雨量の半減傾向の影響が原因と思われた。この低降雨量条件下で,2002年に焼損面積約2.3万k㎡の大規模な森林火災がヤクーツク周辺で発生した。この大火災の経過を,衛星観測と気象計測とのデータを使って詳細に解析し,大火災となった原因について考察した。

商業地域小ブロック内配水管網が負担する同時開放消火栓に関する研究 [大沼博幹] (11)

商業地域の小ブロック内配水管網が負担可能な同時開放消火栓数について,各規模の小ブロックモデルを検討した結果,次のことを明らかにした。①水圧的に厳しい規模の小さい小ブロックにおいても消防水利の基準を満足する配水管口径と平常時の損失水頭が5m以内の配水管網とすることで4栓同時開放が確保できること。②一日最大給水量が5,000m3/dを超える規模になると,特殊な事例を除き,平常時の損失水頭を5m以内とすることで5栓同時開放が可能となること。

ナトリウム燃焼残渣に含まれる過酸化ナトリウムの定量方法の検討 [寥 赤虹,鶴田 俊,斉藤 直] (19)

金属ナトリウム漏洩火災の危険性評価のためには,燃焼残渣中の過酸化ナトリウムを定量的に把握する必要がある。燃焼残渣の物理性状と化学特性は過酸化ナトリウム試薬と異なるため,試薬を対象とする一般の定量分析方法が適用可能かどうかを検証する必要がある。この目的でNa2O2試薬と同一条件で作成した燃焼残渣のサンプルを用い,過マンガン酸カリウム酸化還元滴定法と加水分解法の2つの方法により分析を行い,その分析結果を比較検討した。さらに,JIS K 8231に定められた過マンガン酸カリウム酸化還元滴定法による燃焼残渣の分析過程で,発生した酸素が全量計測されない原因を調べた。この結果により,JIS K 8231は燃焼残渣の分析に対して不適切な方法であると結論し,燃焼残渣の定量分析に残留液の分析を含む加水分解法の利用を提言した。

ノート:新型石油検知管の開発 [石澤不二雄,平野治夫] (29)

五酸化ヨウ素,硫酸およびシリカゲルの混合物をガラス管に封入することにより,火災現場における軽質性鉱油油の簡易検査のための新型検知管を開発した。検知管内の検知材が油に含まれる揮発性芳香族成分と反応して着色することにより検出,その色調の違いから油が識別される。この検知管は,油の種類による検知材の色調の差が旧型より明確であるため,油の識別がより容易である。

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